在宅介護で介護ストレスを軽減する心の持ち方・・・要介護者に過度な期待はせず、今の体の状態を「受け入れる」こと2017年3月5日2017年3月6日wpmaster

元気だった頃を思うと・・・

在宅介護をしていると、介護ストレスが溜まるものです。身体的な疲労もそうですが、天気の良い日に家の中で要介護者の傍でずっと待機しないといけないというのは、「人生を無駄にしているのではないか・・・」となんとも言えない気分にもなるでしょう。

私も当初はそうでした。やはり父の元気な頃の姿を知っているだけになおさらです。父はいわゆる亭主関白の人で、何事も自分の思い通りにいかないと気が済まない人でした。また昔からスポーツが得意で、定年退職してからは地元の老人クラブに入り、ウォーキングを始め同じ世代の人と汗を流すことも多かったと思います。を運動不足気味の私をみて、体を動かせとよく言っていたものです。

そんな父が脳梗塞で急に私の世話がないと生きていけない体になったわけです。介護をはじめた頃は、父が体を思うように動かせない姿をみて、元気な頃の威勢はどこにいったのかと、もどかしさを感じることもしばしばありました。

それと同時に、ショックな気持ちもあったと思います。昔の父の姿と今の状態を比べるたび、「こんな状態になってしまって・・・」と気の毒に思う気持ち、「老い」というものの厳しさを感じる気持ちが襲ってきて、心が暗くなったものです。

要介護者の心身としっかり向き合う

ただ最近少しずつ感じてきたのは、「介護と向き合う気持ち」を切り替えることの大切さ、です。昔の父や元気な頃の父を思い浮かべても、現在の体の状態がどうにかなるわけではありません。

介護者が精神的な介護ストレスを感じるとき、多いのが「なんでこんなこともできないのか」とか「きちんとやれることはやってほしい」など、要介護者に何かを要求し、その期待を裏切られたときです。食べているご飯をこぼす、排せつ時に粗相をする、「ティッシュを取って」とか簡単なことでいちいち呼び出される・・・しなくてよい作業が増えると、そのたびにストレスが蓄積します。

しかしそういう要介護者に「きちんとやれること」を要求するのは、無理なことでもあるわけです。「スプーンできれいにご飯を食べれて当たり前」とか「粗相なく排せつができて当然」という考え方をやめ、「こんな体なんだから、失敗して当然だ」という相手の今の体の状態を受け入れる考え方を持つと、少なくとも心の負担は減ってきます。

いわば介護者が介護と向き合おうとせず、「少しでも楽したい」「ちょっとでもパパッと済ませたい」と思い過ぎ、それが思い通りにいかないと介護ストレスになるとも言えるでしょう。要介護者と向き合い、要介護者を理解して介護に取り組む覚悟を持つと、少なくとも心のストレスは、多少ならずとも軽減されるはずです。