武生市と今立町の合併によって誕生した越前市
福井県の県庁所在地は今でこそ福井市ですが、かつての律令制度上では今の越前市の辺りが「越前国」の国府でした。戦国時代に、織田信長の武将の柴田勝家が現在の福井市に「北ノ庄城」を作り、その城から越前国を統治したので中心部がそちらに移っていったという歴史があります。
「越前市」自体はまだ新しい市で、2005年の市町村合併によって武生市と今立郡今立町とが合併して作られました。人口は約81000人。福井県の中では中堅都市と言える位置づけとなっています。
地理的には三方を山に囲まれた武生盆地が市の中心部で、典型的な日本海側気候の土地です。盆地状なだけに冬は雪が積もりやすく、豪雪地帯として指定されています。北陸はどこも大なり小なりそうですが、やはり雪が大変なのは高齢者の方にとってはネックになると言えます。
高齢化率は福井県の中ではやや低い状況です。2016年4月現在、福井県全体の高齢化率は28.3%なのに対して越前市の高齢化率は27.5%。日本全体で27%ですから、全国平均と同じくらいの高齢化の状況だと言えます。
県内平均より高齢化率が低めなのは、県の中心部である福井市から距離が近く、しかも北陸本線、国道で直通することもできることから、若い人のベッドタウンとなっていることも理由として挙げられるでしょう。
越前市の老人ホームの現状分析
越前市の老人ホームの事情としては、やはり特別養護老人ホームがメインと言えますね。有料老人ホームへの入居を考えるなら、数、種類ともに豊富にそろっている福井市で探すということになるのかもしれません。
いわゆる老人ホームとは形態が違いますが、グループホーム、介護療養型医療施設がやや豊富に見られます。特にグループホームは駅の近くに立地している施設も多く、アクセスがしやすいです。
認知症の状態になった場合、老人ホームで「介護を受ける生活」もよいですが、認知症の症状を抑えてより自分らしく生きられるよう努力できるグループホームもお勧めです。地域密着型の施設なので、入居者はみな市内在住の高齢者の方ばかりです。友人の友人、あるいは遠い親戚の方といった何らかのつながりのある人と、施設でバッタリ出会うということもあるかもしれませんね。
特別養護老人ホームは、町の中心部というよりは、駅から数キロ離れた郊外に立地していることが多いです。車でのアクセスが前提となっていると言えるでしょう。それだけ周囲は自然の風景、田園風景にあふれていて、静かに余生を過ごせます。町の喧騒から離れて、ゆっくりと養生生活が送れそうです。